2005年02月

2005年02月27日

長い道のり

本日は沼津で「能に親しむ会」の講演会。
2時からと4時半からと2回に分けて行ないました。4月の「船弁慶」公演に向けて、どちらも賑わいました。特に2回目は「能の世界の義経」と題して大河ドラマにひっかけて「船弁慶」の宣伝をチャッカリする。
「船弁慶」も、S席はほぼ完売となりました。A席はまだありますので、お越しの方はお早めにご注文下さい。当ホームページからも申し込めます。

今日は大変だったのは、実は行き道でした。
日曜日なので、行楽客で伊豆は込むので、早めに車で出たのですが、なんと雪による凍結のため東名高速は、大井松田から沼津間が通行止め。
慌てて246号線に降りるも、やっぱりの大渋滞。地図なき道を強引に通ってなんとか小田原まで下りてきて、小田原厚木道路に乗ったのが運の尽き。事故渋滞で全く動かない。
「おい、こんな時に事故るな」

とにかく、もう間に合わない。
聞いたこともないインターまで何とかたどり着いて、またも地図なき道を通り、イチかバチか小田原駅まで引き返すことにする。
「ああ、カーナビがあれば」と思いつつ、かろうじて小田原駅へ到着する。後は駐車場に止めて新幹線。と思いきや同じ事考えてる人がたくさんいるようで、駐車場が全く空いてない。
駅からかなり離れた駐車場をやっと見つけ、車を突っ込むと、両手両肩に大荷物を抱えて猛ダッシュ。
新幹線に飛び乗ってかろうじて間に合いました。

こんなに暖かいのに、なんで凍結してんだ、全く。やはり、箱根の山を越えるって大変なんですね。さすが天下の険。

明日は沼津稽古なので、今日は沼津泊なのでラクチンの予定でした。しかし、実際は講座の後、これから小田原に車取りに行かなきゃ。
ハァ、箱根越えは凍結が危険なので、熱海に出て、暗い夜道をドライブ。トホホ・・・

昨日、講座準備のため、1時間半しか寝てない。体力持つかな。


at 20:20|Permalink

2005年02月25日

ぎんが能楽サロン

木曜日の夜は、本年2度目の「ぎんが能楽サロン」がありました。

この時期、注意するのはカゼ。特にインフルエンザです。流行ってますから。
今日も、急に来れなくなったお客様が5、6人いらっしゃいました。
主催者が気をきかせて欠席者の分の椅子をとっぱらって、私のスペースを広くとって下さいました。
「これで、今日は存分に動けますね」

今回のテーマは「賀茂」。存分に動かなければならなくなってしまいまった。
一人しかいないので、自分で謡いながら「賀茂」の所作をいくつかやってみる。飛んだり跳ねたり、大変だった。

調子に乗って動きすぎたら、息が切れる。暫くはハァハァ、ゼィゼィ言いながらしゃべるはめになってしまいました。

そろそろ寄る年波を考えなきゃね。


at 08:56|Permalink

2005年02月21日

「朝長」のトモ、長い

昨日、「朝長」のトモ何とか終えました。いやあ、長かった。

今日気付いたのですが、装束って重いんですね。
今日着けた装束は、素襖といって袖のたっぷりしたものだったので、袖の重みが全て腕にくるんですよ。いやあ重かった。

ただ、能の最中は気になりませんでした。
私、「朝長」って大好きなんですよ。謡が凄くカッコイイんですよ。動きの少ない能ですが、謡が盛り上げていって、最後にちょっとだけ動く型が、それまで動かないぶん効果的なのですよ。

そうはいっても、腕は痛い。終演後、名古屋の友達と飲んだのですが、ビールが主食の私ですが、大ジョッキはやめときました。
飲めないんじゃなくて、持てないんですよ。
はぁ、しばらく重いものは持てませんね。

昨日は夜中に帰ってきて、今朝は朝一番に稽古能。
その後、車に飛び乗って、千葉の岩井海岸に来ています。指導している、明治大学能楽研究部の合宿です。
この部の合宿は、夏はスキー場で冬は海水浴場と決まってるんですよね。
何故って、安いから。

今日から3日間、学生の合宿稽古です。なにせ、学生は体力あるから、教えるほうも大変です。なにせ、日に9時間も稽古してますから。そのくせ、朝まで飲んでる。いったい、どういう身体してんだ。
まぁ、私も学生の時は同じでしたけど。


at 20:27|Permalink

2005年02月18日

ライオンキング

今日は、名古屋九皐会の申合せで名古屋に来ております。

私は「朝長」のトモと、「雷電」と仕舞の地謡。
「朝長」のトモは、能楽評論家の堂本正樹氏が隠れた難役と言ってるように、たいへん難しい役です。
ではこの役のなにが難しいのでしょう。
この役は、主人の太刀を持つだけなのですが、問題なのはその時間。だいたい25分から30分くらい、ずっと太刀を肩の高さに水平に持ってなければならない。当然太刀は模擬刀なのですが、それでも結構重い。ただ、この際それよりも無視できないのが自分の腕の重さ。
腕を水平に挙げる以上、太刀の重さと腕の重さを肩で支える形になります。人間の腕って、どれくらいの重さなのでしょうか? 量ったこと無いけど、5キロくらいあるんじゃないですかねえ。試しに、自分の腕を肩と水平に挙げててください。たぶん5分もすれば腕が震えてきますので。

申合せは午前中で終わり。ホテルに移動しましたが、チェックインは3時から。
「どうやって時間つぶそう。あ、そういえば今やっている映画「オペラ座の怪人」見たいんだよな。見に行ってこよっと。」
と、ホテルを出ると、目の前に劇団四季の「ライオンキング」の劇場を発見。今日の公演は13時半からで、当日券ありとの文字を見つける。
これはいいやと、早速入って見る。映画「オペラ座の怪人」がミュージカル「ライオンキング」に変わってしまった。

いやあ、ミュージカルを見るのは一年ぶりだけど、面白いねえ。何といったって、ストーリーや登場人物はいたって単純。ただ見ているだけで楽しめる。そもそもミュージカルって、役者の歌やダンスを楽しむものだから、頭使わなくていい。これが登場人物の人間関係が複雑な演劇とかだと、頭が疲れます。
単純に、ライオンやらハイエナやらキリンが踊ってるのを楽しんでみました。

能もそうなんですよね。難しく考えないで、能楽師の謡や舞を単純に楽しんで欲しいなあと願います。

終演後、本日は特別企画として、「ライオンキング大解剖」という講座が同じ劇場で行われました。
さっきまでミュージカルに出演していた役者が登場して、動物のパペット(着ぐるみのこと。決してぬいぐるみとは言わない)の中身がどうなっているかとか、舞台の裏話などを楽しく聞かせてくださいました。

なんかこれって、九皐会でやってる「のうのう講座」や、わたしが市川でやっている「ぎんが能楽サロン」みたい・・・

どこも、お客さんサービスを一生懸命やってるんですねえ。
いろいろ刺激になった一日でした。


at 22:45|Permalink

2005年02月17日

平家琵琶

今日は、「ぎんが能楽サロン」でいつもお世話になっている「ぎんがホール」へ、平家琵琶(平曲)を聞きに行ってきました。

演奏者の新井素子さんは、日本で数少ない平家琵琶の演奏者として全国で活躍中です。11月の「ぎんが能楽サロン」では、ゲストとして演奏をしていただく予定になっています。

さて、平家琵琶とは聞きなれない言葉ですが、何なのでしょう。
要は、平家物語の弾き語りです。

平家物語の作者って誰でしょう。
源氏物語なら紫式部、枕草子なら清少納言と、作者はすぐ答えられるのですが、平家物語の場合、はたと困ってしまう。
どうも、特定の作者は存在せず、いつの日か琵琶の弾き語りによって伝えられた物語ってのが「平家物語」のようです。

その「平家物語」を語って聞かせるのが平家琵琶です。いわば平家物語のオリジナルです。語りがメインですので、琵琶の演奏は薩摩琵琶や筑前琵琶と比べると、地味ですが、そのぶん語りはしみじみと心の中に染みこんでいきます。ぎんがホールという狭い空間にはもってこいでしょう。

平家琵琶は、発生は能より古く、能の大成者世阿弥も、能の節付けにおいてずいぶん参考にしたようです。能の中に「語」や「クドキ」という一節がありますが、私が思うに、これらなんかかなり平家琵琶から影響をうけているんじゃないかなと思います。

「ぎんがホール」では、偶数月の第3木曜日に、この平家琵琶の会をおこなっております。何せ狭いホールですのですぐ満席になってしまいます。、チケット入手はお早めに。


at 22:21|Permalink