2004年12月

2004年12月31日

大晦日

2004年もあと少しで終わりです。
今年もいろいろなことがありました。1~3月にはシンガポールの演劇学校でアジア10カ国の役者さんたちに能を教えるという素晴らしい経験をしました。怪しい英語で朝から晩まで接した学生さんたちとは、今でもメールのやり取りがあります。

3月にはまた、沼津市で「能に親しむ会」主催の、自主公演を行ないました。私にとって初めての主催公演であり、企画から営業、はてまた当日のシテまでつとめ、たいへんしんどい日々であったことが思い出されます。チケット販売に関しては、多くの方の協力をいただき、おかげさまで満員のお客様をお迎えすることができました。この場をかりて御礼申し上げます。
来年も4月9日に第2回の自主公演を予定しております。宜しくお願いいたします。

4月にはオランダ・ベルギー公演に行き、7月には九皐会で「殺生石」を舞いました。8月には伊豆の狩野川薪能にて、地元の小学生と一緒に創作能に挑むという体験をいたしました。子供の稽古って、外国人よりたいへんですね。

12月には能楽師の登竜門の一つである、「猩々乱」を披き、またこのホームページを立ち上げました。

その他いろいろあった1年ですが、何とか無事終える事ができました。お世話になった方に、重ねて御礼申し上げます。
来年も、いっそうの精進を重ねる所存です。何とぞ宜しくお願い申し上げます。

追記 今年の紅白歌合戦の司会をしている小野文恵アナは、私の中学高校の2年先輩です。残念ながら、面識はないのですが、同じ校舎で学んだと思えば親近感がわきます。頑張ってください

at 22:55|Permalink

2004年12月29日

テスト

このブログ、携帯から編集もできるらしい。
というわけで、今携帯で日記を書いてます。能楽師って、移動と旅が多いので、携帯で更新できるのはとっても便利・・・ じゃないですね。これで書けない言い訳が一つなくなってしまった。

ある作家が言っていたんですけど、昔は原稿が全く書けてない時に編集者から催促がきたら、
「あ、今やってます」
と言っておけばとりあえずその場はしのげたのだけど、今は
「そうですか。それでは出来たとこまでメールで送って下さい」
と言われてしまうのでウソがつけないそうです。 便利になりすぎるのも困りもんですね。

それにしても、時間がかかるな。
私は、携帯の打ち込みが苦手なのでした。



at 22:08|Permalink

2004年12月28日

大掃除

「年末って、能楽師何してるのですか」

よく聞かれます。だいたい、能楽師の特徴として「世間が忙しい時はヒマで、世間がヒマな時は忙しい」というのがあります。
師走を迎えて慌しい日々に催しをやっても、お客さん集まってくれないから、12月は公演がホント少ない。つまりヒマなわけです。とりわけ、年末になるとお稽古してもお弟子さん来れないし、当然舞台は無いわで、だいたいの能楽師が完全フリー。

じゃあその間なにやってるかといいますと、第一に、能楽堂の大掃除。
私たちも本拠地の矢来能楽堂を、連日せっせと掃除してます。「なんだそんなことか」と思わないで下さい。あの広い能楽堂を、本当に隅から隅まで掃除します。庭にデッキブラシかけたり、見所(観客席)の床をタワシでセコセコ磨いたり、能楽堂中の電球・蛍光灯を取り替えたり、はたまた60枚はある能楽堂中の障子を張り替えたりと、今どきここまで熱心に掃除してんのは、お寺か能楽堂かと言うくらいに徹底的に掃除します。世間が、クリスマスだあ忘年会だあと浮かれている間、おおよそ1週間朝から晩まで掃除してます。

そして掃除が終わると、ピカピカになった能楽堂に一年間のお礼を言って、それぞれの正月を過ごします。これが能楽師の年末です。

全く色気も食い気もない地味な年末です。



at 21:58|Permalink

2004年12月26日

乱が終わった

「乱」が終わったらやろうと思ってったことがイロイロある。

「乱」とは、「猩々乱」という能のことで、能楽師の修業過程で必ず演じなければならない特殊な能です。「流れ足」「乱れ足」などという独特の足使いで演技の大半をしなければならない難曲です。「道成寺・獅子・乱」などと並び称され、一般にこれら三曲を演じれば一人前の能楽師と言われるのですが、私は、先日12月12日に何とか最初の関門である「乱」を勤め終えまた。さしづめ、やっと3分の1人前といったところですかね。

「猩々乱」の前は、当然稽古に没頭してまして、色んなことを先送りにしていました。その一つがこの日記と言うわけです。

このたび、ホームページを開設するにあたり、知人から
「日記をつけなきゃダメだ」
と忠告された。とはいうものの、日記なんて小学校の宿題以来つけたことがない。そりゃ無理だと固辞したら。
「そんなに構えなくていいよ。能楽師の日常や私生活を適当に書いていけばいいんだ」
冗談じゃない、朝8時まで飲んでいたとか、休日は朝から晩までサッカー見てるとか、書けるわけ無いじゃないか。(もう書いてる)

というわけで、この日記では、若手能楽師の華麗なる日常や、日々何考えて生活しているか、はてまた地謡座で何考えてるかなど、チョコチョコ書いてゆくつもりです。どうぞ宜しくお願いします。


at 12:46|Permalink